2011年10月16日日曜日

1年間の被ばく線量(個人予測)

2011.10.16 内部被ばく(食べ物)にストロンチウムの試算を入れました。

あくまでも個人の計算ですが、
3~4月にマスクをしたり、これまで空間線量や食物や水からの被ばくを減らす努力をしてきた仙台市の小学生の場合を想定し、年間の被ばく線量を大雑把に見積もりました。

被ばく線量は、医療を除いた、外部被ばくと内部被ばくの和で、
外部被ばくは、大気、大地、宇宙から受けるもので、空間線量から平常時の線量を引いたもの。
内部被ばくは、食物、水、呼吸によるもの。
としました。

■計算方法と結果
①外部被ばく 0.49 mSv/年
空間線量は、東北大学(青葉区)と同じ線量の場所で生活した場合としました。
平常時の線量は、0.04μSv/hで計算しました。
詳細は、ブログ「1年間の空間積算線量(個人予測)」を参照してください。

線量の高い場所にいかなければ、多くの子供は自宅にいる時間が一番長いので、自宅の線量でほぼ外部被ばく量が決まります。ちなみに、私の自宅室内がこの東北大学の屋外とほぼ同じ線量です。

②内部被ばく(食べ物) 0.32 mSv/年
ここの計算はかなり難しいのですが、半ば強引に計算して、
4月~6月の3ヶ月の内部被ばく線量を0.08mSvで見積もりました。
今後どうなるか不透明ですが、年間線量は単純に4倍して、0.32mSv/年としました。
詳細はブログ「食べ物による内部被ばくシミュレーション2」を参照してください。

③内部被ばく(水) 0.04 mSv/年
水道水に含まれる放射能(Bq/kg) × 経口摂取による実効線量係数(Sv/Bq) × 摂取重量(kg/日) × 365日

一例として、子供(2~7才)の場合、
放射性ヨウ素(I-131)が1 (Bq/kg)含まれるものを一日1 (kg)ずつ摂取した場合、
( 1 × 1 × 10^-7 ) × 1 × 365 = 0.04 mSv/年

一例の値は、仙台市水道局 仙南・仙塩広域水道の測定値を参考にさせていただきました。年間一定で計算するのは大雑把すぎるかも知れません。
いずれにしても、空間や食物に比べて、小さいです。

④内部被ばく(呼吸) 0.001 mSv/年
大気浮遊塵中に含まれる放射能(Bq/m^3) × 吸入摂取による実効線量係数(Sv/Bq) × 一日の吸入体積(m^3/日) × 365日

一例として、子供(2~7才)の場合、
放射性ヨウ素(I-131)が0.0006 (Bq/m^3)、放射性セシウム(Cs-134)が0.0034 (Bq/m^3)、放射性セシウム(Cs-137)が0.0031 (Bq/m^3)、含まれるものを毎日8.72 (m^3)ずつ吸入した場合、
( 0.0006 × 37 × 10^-9 + 0.0034 × 7 × 10^-8 + 0.0031 × 4.1 × 10^-8 ) × 8.72 × 365 = 0.001 mSv/年

宮城県では放射能測定していませんので、一例の値は、東京都産業技術研究センターでの測定値(4/29)、呼吸率は国際放射線防護委員会の5才のものを使用させていただきました。
この計算は3~4月に放射性物質が舞っていたときの被ばくを考慮していません。3~4月にマスクをしていればこの計算で大丈夫と思います。その場合、空間や食物に比べて、かなり小さいです。

以上を合計して、
被ばく線量(個人予測): 0.85 mSv/年(子供2~7才の場合)

■結論
仙台では、3~4月にマスクをしたり、これまで空間線量や食物や水からの被ばくを減らす努力をしてきた子供たちは、これからも空間線量と食物からの被ばくに注意をすれば、線量限度(年1ミリシーベルト)以下にできそう、という感触です。
もちろん、今後、放射能汚染がどう変化してゆくか全く不透明ですので、この計算で安心はできません。空間線量が高い場所を避ける、汚染が確認された食材を避ける努力が大切だと思います。
また、不必要な医療被ばくも避けたいと思います。

この一例を参考にしつつ、いろいろなケースを試算して、少しでも現状がつかめて対策できるようになれば幸いかと思います。

■参考
放射線医学総合研究所 放射線被ばくに関する基礎知識 第6報
http://www.nirs.go.jp/index.shtml

放射性核種に対する実効線量係数(経口摂取、吸入摂取)
乳児、幼児、子供、大人(p4、p5の表)
http://www.nirs.go.jp/data/pdf/i14_j3.pdf
下記は大人の場合
http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html

宮城県の農林畜産物及び水産物の放射能測定結果
http://www.pref.miyagi.jp/gentai/Press/PressH230315-3(sokutei).html

仙台市水道局の測定結果
http://www.suidou.city.sendai.jp/06_bousai/jisin61.html

東京都立産業技術研究センターの測定結果
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/whats-new/measurement.html

食べ物による内部被ばくシミュレーション2

2011.10.16更新 ストロンチウムを計算に入れてみました

あくまでも個人の試算になりますが、
仙台市の小学校の学校給食を想定し、わかる範囲で、内部被ばく線量を試算してみました。

わかる範囲というのは、食品の放射能濃度の測定データが、3月~6月に出荷された食品のごく一部の品目・地域しか測定されてないためです。できるだけ測定データを参考にして計算をしました。
内部被ばく線量の計算式を示します。
内部被ばく線量(mSv)
=①食品群、品目別摂取量(g/d) × ②放射能濃度(Bq/kg) × ③経口摂取による実効線量係数(Sv/Bq) × ④積算日数(d)

計算式は割と簡単なのですが、実際は②の値をどうするかが難しいです。

①食品群、品目別摂取量(g/d)
品目や食べる量は個人差が出ますが、ここでは厚生労働省の食品の放射能測定マニュアルの別表6(p38~39)の「少年7~12歳」で計算しました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf
②放射能濃度(Bq/kg)
仙台市の学校給食は、ブログ「仙台市の学校給食」にまとめた通りです。そこで調べた内容から、各食材の原産地を設定しました。わからない部分が多く、かなり私が独断で決めています。
食品の放射線濃度はこちらのサイト http://yasaikensa.cloudapp.net/browse.aspx や各自治体の測定値を参考にしました。まだまだ測定データが一部しかないので、測定されてない地域の食品は私が他の測定値を参考にして独断で決めました。
ストロンチウムの食品測定データがないのですが、海底土の核種分析結果からCs-137との比率を参考にし、測定時期が遅れているのでSr-89の半減期51日を考慮して、給食が開始された4月の値に換算しています。http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110625n.pdf
測定データには、測定限界以下(ND)のものがありますが、測定限界が公表されていないところは0.1(Bq/kg)としました。
③経口摂取による実効線量係数(Sv/Bq)
ヨウ素I-131,セシウムCs-134,セシウムCs-137は http://www.nirs.go.jp/data/pdf/i14_j3.pdf (p4、p5の表で子供2~7歳),ストロンチウムSr-89、ストロンチウムSr-90は http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf 別表4を参考にしました。
④積算日数(d)
食品の測定データが、3月~6月に出荷された食品が主になっていることと、仙台市の給食が始まったのは4月以降なので、4~6月の91日間で計算しました。
7月以降は、②放射能濃度が変わると思いますので、もう一度設定し直して計算しようと思います。

それから注意点として
・給食以外の朝食と夕食は、給食と同じ原産地の食材を食べる想定です。
・食材は茹でるなどの調理・加工を行うと、放射能濃度は減少します。データとしてあるのは、ある限られた食材・調理方法しかないため、ここでは調理・加工による除染はないものとしました。
参考 調理・加工による放射性核種の濃度の変化 (09-01-04-06)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-01-04-06
・放射性核種は、ヨウ素I-131,セシウムCs-134,セシウムCs-137,ストロンチウムSr-89,ストロンチウムSr-90を対象にしました。自然界に存在する放射性核種(カリウム-40,炭素-14など)は計算に入れていません。
こちらを参考 http://www.fepc.or.jp/learn/houshasen/seikatsu/shizenhoushasen/sw_index_03/index.html

以上より、計算結果を示します。
食品による内部被ばく線量(個人予測): 0.008mSv(4~6月の3ヶ月間。子供2~7才の場合)

実際に計算してみると、意外と内部被ばくが低い結果となりました。
ただ、上記②の設定次第では値は変わりますし、測定されてなくて汚染された食品を口にしている可能性や、ND(測定限界以下)がわからないためゼロにしたなど、不確かな部分が多いです。
これら不確かさによって変わる量は~10倍だと思うので、個人的な安全係数10を掛けて、0.08mSv/3ヶ月、0.3mSv/年くらいで見積もっておけばいいかなと思っています。

かなり強引なのですが、一応計算して、内部被ばく線量を見積もりました。
こういった計算をすることで、今の状態が良いのか悪いのか、少しずつ正しい判断できるようになると思います。今後、ストロンチウムの測定データが出てきたり、お米の収穫などがあり、汚染の状況は変わってくると思います。放射能汚染された食材は、食べてよいことは何もありませんので、極力避けてゆくべきと思います。

試算シート

ストロンチウム

ストロンチウムに関する測定データを集めました。


■陸上


文部科学省による、プルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果について
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/distribution_map_around_FukushimaNPP/index.html

福島第一原子力発電所から20km圏内の土壌試料の分析結果
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/01/1306200_0531.pdf
※Cs-137に対するSr-90の濃度比 約1/4000~1/2000

東京電力株式会社福島第1及び第2原子力発電所周辺のダストサンプリング、環境試料及び土壌モニタリングの測定結果
土壌モニタリングの測定結果(平成23年5月31日までの測定結果)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/15/1306616_060910d.pdf

陸土および植物の放射線ストロンチウム分析結果http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304936.htm

■海洋

福島第一原子力発電所沖合における海底土の放射性物質の核種分析の結果について(続報3)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110625n.pdf
※Cs-137に対するSr-90の濃度比 約1/100~1/15

2011年8月8日月曜日

2011年8月7日日曜日

J.W.Gofmanのモデル

原子力安全研究グループ
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/

2011.5.2 悲惨を極める原子力発電所事故、「第11回、終焉に向かう原子力、集会」at明治大学(2011/4/29)のレジュメ
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/tky110429.pdf

ECRR リスクモデル

内部被ばくに警鐘~クリス・バズビー博士インタビュー
OurPlanet-TV
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1190

ECRR リスクモデルと福島からの放射線
クリス・バスビー 欧州放射線リスク委員会 科学委員長

化学物質問題市民研究会http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nuclear/articles/110319_ECRR_Risk_Model.html

2011年8月6日土曜日

1年間の空間積算線量(個人予測)

2011.8.6 平常時の空間線量を修正しました。

あくまでも個人の計算ですが、
仙台の地震後1年間の空間積算線量(地上1m)を予測してみました。

計算方法
2011.3.11~12: 測定データがないので、平常時(0.027μSv/h)と仮定
2011.3.13~6.30: 東北大学 田村氏(青葉区)の測定値と同じと仮定
※12時間単位で積算しているため、瞬間的な値は12時間での平均値に直しました。
2011.7.1~2012.3.10: 7.1の線量率(0.09μSv/h)がずっと続くと仮定

積算線量(計算結果): 0.84mSv/年

空間線量率の推移 計算に使用したのは茶色のグラフです。
















空間線量率には、注意点があります。
・ブログ「仙台南部の放射線量率マップ」にありますように、場所によって変わります。

次に、
外部被ばく線量を計算してみます。
外部被ばくは、積算した空間線量から、平常時の空間線量を引くようです。

①日本分析センター 日本各地の空間放射線量率(2008年度)より、0.05~0.075μSv/h
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/04/04-4.html
②仙台市の自然放射線量(東北大学の計測値) 0.04μSv/h

①と②の2つのデータがありますが、ここではより厳しめになる②のデータを使います。
0.04μSv/h×24×365=0.35mSv
したがって、外部被ばく線量(予測) 0.49 mSv/年、となります。

外部被ばくの注意点もあります。
・当然ですが、人は移動しますので、場所によって受ける線量が変わります。
・屋内と屋外で線量率は変わります。仙台の線量率は低いので、屋内でも屋外とあまり変わらない線量率の場所が多いです。

この計算のように、今後の線量率がずっと変わらないのか調べていく必要がありますが、1年かけて調べている内に被ばくが進んでしまうので、できる限り被ばくしないように対策をしておいた方がよいと思います。